桃ちゃんが戻ってくるまで、一人座ってレースを見守る。
そろそろ蒼永の出番じゃないかと思うんだよね…と思ったらスタートした!


「頑張って蒼永!」


どんなお題を引くのかな?


「あの、白凪さん」


突然誰かに話しかけられた。
クラスの違う白組の男子だ。見たことはあるけど、あまり話したことはない。


「はい?」
「良かったら、一緒に来てくれないかな」


そう言って見せられた紙には、「ツインテールの女子」と書かれている。
あー、なるほどね。


「わかりました〜」


白組勝利のためにも協力しようと思い、すっくと立ち上がる。しかし、背後からグイッと腕を掴まれた。


「ダメ。咲玖は俺と来て」
「蒼永!?」
「なっ何だよ!俺が先に誘ったんだぞ!」
「そのお題なら他にもいるでしょ。俺は咲玖じゃないとダメだから」


そう言うと私の手を引いて走り出す。戸惑いながらも一緒に走るしかない。
なんかめちゃめちゃ見られてるような気がするんだけど…。

そのままゴールテープを切り、1位でゴール!


「1位は1-Sの九竜くんです!それではお題を確認しまーす!
お題は…なんと、『好きな人』です!!ド定番ですねー!」

えええ!?!?

「つまり、一緒にいる方は?」
「彼女」
「はい!お題クリアです!!」


ええーーーー!?!?
私の心の叫びと同時に、各方面から女子の悲鳴が轟く。


「ちょっと蒼永!?何してんの!?」
「もういいじゃん。俺はずっと言いたかったし」
「私も別にいいけど…こんな大勢の前で…」
「それとも、許嫁って言った方が良かった?」
「いや、大丈夫…」


許嫁って言った方が更に騒がれたと思う…。
だけど、まさかのまさかなタイミングで全校生徒にバレてしまいました……。