やっぱり競争率高いな、蒼永のリストバンド…。

というわけで私の腕には赤いリストバンド、蒼永の腕には白いブレスレットがはめられた。
わっ、これめっちゃ嬉しいかも…!


「えへへっ、ありがとう!」
「色変わったけどいいの?」
「いいの!嬉しい!」
「そっか」


蒼永に会えて交換もできて、めっちゃハッピー!

* * *


「えへっ、えへへへへへ」

「聞いてよ大志、人が必死で走ってたのに応援もせず、イチャイチャしてたのよ」
「僕は見てたよ!桃速かったね」
「でも2位よ!!悔しい!!」
「1位は陸上部の子だし、充分すごいと思うけどな」

「そうだよ桃ちゃん〜」
「ニヤニヤするな!腹立つわね!」
「い、いひゃい」


でも痛くない〜!!ハッピーパワーで全然痛くない〜!!


「咲玖あんた浮かれまくってるけど、わかってるの?」
「へっ?」
「そのリストバンド!もう噂になってるのよ!」

噂??

「九竜が白いブレスレットしてるって既に大騒ぎよ!白組に彼女がいるのかって噂になってるんだから!」
「えっそうなの?」
「僕も女子たちが話してるの聞いちゃった」
「九竜のリストバンドはみんな狙ってんだから当然でしょう!」


そこまで考えてなかったな…。
そっか、交換するってことは相手がいるってバラすようなものなのか…!!

取られないようにすることしか考えてなかった!!