「まあ、無難に好きなとこ行けばいいんじゃない?」
「そうだよ。二人が楽しめることが大事だと思う」
「そ、そっか…」
そうだよね、初めてのデート。
蒼永と一緒ならきっとどこでも楽しいはず…!!
「さっちゃんたち同棲してるから毎日がおうちデートみたいなものだしね…」
「いや付き合い出してから家で二人きりなんて、九竜の理性がぶっ壊れるわよ」
「確かに…さっちゃんにはちょっとハードル高いかな」
何やら二人がヒソヒソしていたが、私には聞こえていなかった。
蒼永と一緒ならどこでも楽しいと思うけど、せっかくならデートっぽいことがしたい。
なのでこんな提案をしてみた。
「当日の待ち合わせ?」
「うん!私前日に実家帰るので、実家から向かうね!」
「いいけど」
「待ち合わせするのってデートっぽいよね!」
「ああ…」
蒼永はクスクス笑うと、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「――へっ!?」
「かわいいことするなと思って」
「あ、いや、せっかくならと……」
あと本音はデートに着て行けるようなかわいくてお気に入りの服、全部実家にあるんだよね――…!!
「楽しみにしてる」
「私も…!」



