防具を取った蒼永は、今度こそはっきりと私を見た。
そして、ニコッと微笑みかける。
「……っ」
「ねぇ、今九竜くん笑ったよね!?」
「笑いかけてくれた!?」
「今の、絶対あんたでしょ」
桃ちゃんがニヤニヤしながら私をこづく。
自分でもそう思ったから、なんだか恥ずかしくなって俯いてしまった。
うわあ、なんだろうこれ……。
めちゃめちゃ恥ずかしいけど、めちゃめちゃ嬉しい…!
「やっぱりすごいね蒼永くん!」
「一瞬だったわね。速すぎてよくわかんなかったわ」
「良かったね、さっちゃん」
「……」
「さっちゃん?」
「あら、許嫁がカッコ良すぎて見惚れちゃった?」
うう、正直見惚れたかもしれない……っ!
「だって、蒼永の試合見るの久しぶりだから…!」
「本当にカッコ良かったね」
「あー今の咲玖の顔、九竜に見せてやりたいわー」
「や、やめてよ!」
その後勢いづいて副将戦も勝利!
もう団体戦の勝利は決まったけど、練習試合ということで大将戦も行って午前は終わった。
お昼休憩を挟んだら、今度は個人戦となる。
お昼はなんと、大志くんがお弁当を作ってきてくれたので四人で一緒に食べる約束をしていた。
大志くんのお弁当、本当においしいんだ!
「あ、蒼永!こっち…、」
「――リュウ!」



