クールな許嫁の甘い独り占め。




「………。」

「あ、蒼永…?」

「…あんまり煽らないで…」


煽る!?何を!?

わからないけど、蒼永がいつもより赤くなっててめっちゃキュンキュンしちゃう。
多分こうゆうところが桃ちゃんにズレてるとか、のんきって言われるんだろうな…。


「抱きしめてもいい…?」

「っ、うん…!」


ぎゅってされた瞬間、何故か泣きそうになった。

直に肌が触れ合ってる分、いつもより蒼永に近い気がする。
二人の心臓の音が重なり合って、とけていくみたいだ。

ふと、頬に何か硬くて冷たいものが当たり、それが誕生日にプレゼントしたネックレスだと気づく。


「付けてくれてるの?」
「うん、いつもしてる」
「嬉しい…」
「咲玖に独占されてる証だからね」
「そ、そうゆうわけでは…」
「咲玖も、いつも付けてて」


蒼永は私の左手を取り、薬指にキスをする。
指にはもちろん、エンゲージリングを嵌めている。


「…っ!してるよっ」


学校やバイトにもネックレスにして付けてるし!


「…咲玖、前にも言ったけど、咲玖の気持ちが追いつくまで待つから」


優しく頬に触れられて、思わずビクッとしちゃうけど、触れられた先から大切にしてくれる想いが伝わってくる。


「咲玖が本当に大丈夫になるまで…ずっと待ってる」

「で、でも…っ、なんか反射的に反応しちゃうとゆうか、嫌なんじゃなくて…!だから、」

「わかってるよ。」