「寒くない?」
蒼永が自分のマフラーを私の首にかけてくれた。
「平気だよ!蒼永こそ寒くないの?」
「大丈夫」
旅行だからなのか、イヴだからなのか。
いつもより蒼永が近く感じる――…。
…実は、こっそりクリスマスプレゼント用意してきたんだけど、後で渡せるかな…?
旅館に戻り、また体が冷えたので桃ちゃんと内風呂に行った。
蒼永と大志くんも露天が男湯の時間になったので、入りに行ったみたい。
内風呂も広くてとっても綺麗で、すごく気持ちいい!
スキーの疲れも癒される…。
「桃ちゃん、この後どうする?ゲームとかする?」
「そのことなんだけど…やっぱり私、大志と泊まるわ」
「えっ!?」
「だから咲玖も九竜と泊まって♪」
えーーー!?!?
「ちょっ、桃ちゃんっ!?」
「だってせっかくのイヴなのよ?やっぱり彼氏と過ごしたいじゃない?」
「えっ、でも私…!」
「頑張って!」
何を頑張るんですか!?
ちょっと浮かれているのか、ルンルンな桃ちゃんはとってもかわいいんだけど…!!
「はい、咲玖の荷物まとめといたわよ」
「えっ」
「じゃ、よろしく!」
「え……」
嘘でしょ…、さりげなく追い出されたよね…??
もう私に残された道はない…。
このまま蒼永のいる部屋に行くしかないってことだよね……。
どうしよう、一緒に住んでるけど同じ部屋に泊まるのはまた違うというか…!!
「――咲玖?」



