クールな許嫁の甘い独り占め。




なんて妄想したら、逆上せそうになってしまった。
親友相手になんて妄想してるの、私ってば…!!

前に蒼永は、私の気持ちが追いつくまで待つって言ってくれたけど…いつまで待ってくれるのかな?
些細なことでもドキドキするし、キュンキュンもするし…!何十年もかかりそう…!!

それに…好きな人に全部を見せるって、すごく緊張する…。

今の桃ちゃんの美ボディを見てしまうと、尚更私のストーンとした貧相なカラダを蒼永に見られたくない。

やだよ、ガッカリされたくないもん…っ!


「ふう、気持ちよかったわね」
「そうだね…」


桃ちゃんは、浴衣姿も色気があって綺麗だな…。
自慢の親友だけど、今は隣に並ぶのがちょっと億劫だ…。


「自販機で飲み物買いましょ」
「うん」

「俺らが奢ってあげよーか?」


急に知らない男性二人組に話しかけられて、ドキッとする。


「君たちめっちゃかわいーね。一緒にツリー見に行かない?」
「クリスマスのライトアップされてるんだよ〜」

「教えてくれてありがとう。でも彼氏と行くわ」


キッパリハッキリと言い切れる桃ちゃんはカッコイイ。


「えー、彼氏なんていないじゃ〜ん」

「「ここにいるけど?」」

「蒼永!」
「大志!」


蒼永が来てくれてホッとしたと同時に、またドキドキしてしまう。


「桃、遅くなってごめんね」
「平気よ、ありがとう」


桃ちゃんが大志くんの腕にぎゅっと絡みつくと、流石のナンパもそそくさと逃げて行った。