クールな許嫁の甘い独り占め。



私は蒼永にスキーを教えてもらうことに。


「咲玖、大丈夫だからおいで」

「…っ、うん…っ」


でも、めっちゃ怖いーー!!

スキーの基礎的な滑り方は教えてもらった。
初心者コースだし坂も全然ゆるいんだけど、生まれたての子鹿みたいな足になってる。


「大丈夫、受け止めるから」


そう言って蒼永は下で待っててくれる。


「い、いきます…っ!」


意を決して滑り出した!

ものすごくへっぴり腰でフラフラと、ゆるい坂を滑り下る。
あと少し、もう少し…!


「あっ」


あと少しというところで、体勢を崩した。
こ、転ぶ…!

思わず目を瞑ったけど、転ばずに優しく受け止められた。
目を開けたら、至近距離に蒼永の顔があってまた心臓が飛び跳ねる。


「あ、蒼永…!」
「大丈夫?」
「う、うん…ありがとう」
「受け止めたでしょ?」
「!」


う〜〜…めっちゃキュンキュンした…。

そんな至近距離で笑いかけられたら、心臓がもたないよ〜!!


「てゆーか、ごめんね蒼永…」
「ん?」
「下手っぴな私に付き合わせて…私がいると蒼永が滑れないでしょ?」
「咲玖と二人きりでいられる方が嬉しいよ」
「〜…っ、もうっ!」


本当にドキドキしすぎて心臓もたないかも…。