「キャーッ!なんかめっちゃイケメンでめっちゃ上手い人いる〜!!」
「ほんとだ!ヤバい、マジでめっちゃイケメンなんだけど!!」


…そうなりますよね!?

いや正直、私も見惚れるくらいにカッコイイ。
こんなにたくさん人がいても、蒼永しか目に入らないくらいには。

蒼永ってスポーツしてる時が一番輝いててカッコイイんだよね…。
もちろんいつもカッコイイんだけど…。


「咲玖!見惚れてる場合じゃないわよ!」
「はえ?」
「蒼永くん、ナンパされてるね…」

「どこから来たんですかー?良かったら一緒に滑りません?」
「スキー教えてほしいです〜」


蒼永の周りには、いつの間にか綺麗なお姉さんたちが!!
あっという間に囲まれてる…!


「ほら!行くのよ咲玖!」
「え、えっと…っ」
「頑張ってさっちゃん!」


桃ちゃん大志くんに押され、おずおずと近寄っていくけど、なんて言えばいいんだろう…?


「あ、蒼永…」
「ん?誰この子ー?」
「俺の彼女」


グイッと肩を引き寄せられて、抱き寄せられる。
ドキン、と心臓が大きく跳ねた。

彼女持ちとわかると、お姉さんたちはつまらなそうに立ち去る。


「ありがと咲玖」
「私何もしてないよっ」
「隣にいてよ。彼女なんだから」
「…っ」


なんか彼女って言われるの、照れ臭いな…。
いや許嫁もそうだけど、彼女の方が言われ慣れてないし、付き合ってるって感じがして…。


「そこのバカップルたち〜。私たち上級者コースで滑ってくるから」
「また後で連絡するね!」


そう言うと、二人は颯爽とした滑りでリフトの方に行ってしまった。
なんかさりげなくバカップルって言われた。