…目黒くんもいた。

深呼吸して、静かに歩み寄る。
心臓はバクバクだけど、大丈夫…!

頑張れ、私!


「わ、私も黄色なの!」

「…!」


目黒くんが私を見た。
だけど、すぐに逸らされてしまった。


「…あっそ」


ううう、でも負けない!
今からゲームだもん…!

これから始まるのは以心伝心ゲーム。
例えば「卵料理といえば?」というお題に対し、チームで同じ回答を揃えるというもの。

まずは練習も兼ねてやってみたら、私は「オムライス」、目黒くんは「卵焼き」、他はみんな「目玉焼き」という結果に。


「…オムライスはねぇだろ」
「なんで!?」


オムライス好きなんだけど…!


「お前合わせる気あんのか?」
「め、目黒くんだって一人だけ違うよ」


続いて、「おにぎりの具といえば?」。


「シャケ!」
「明太子だろ」


また私と目黒くんだけ違った。
他はみんな「ツナマヨ」だって。


「ツナマヨはねーだろ!」
「明太子もないと思う」
「シャケもねーよ」


シャケおにぎり美味しいのに。
その後もなかなか全員一致とならない。


「お前ズレすぎだろ」
「人のこと言えないと思う」


ゲームに夢中になっていたせいなのか、私たちだけ絶妙に噛み合わないせいなのか、自然と目黒くんと話せていた。

最初の頃のように、緊張せずに自然と。