俺の名前は目黒佑磨。
名門・K高1年のサッカー部。
それだけでもモテるが、俺には持って生まれた容姿と家が金持ちだという、この上ないステータスを持っている。
当然ながら昔からモテまくっていたし、町を歩けば逆ナンされるし、合コンに行けば女はみんな俺に夢中。
中学の頃は、俺に好かれて嫌な女なんていないと、本気で思っていた。
――あの、白凪咲玖に出会うまでは。
白凪咲玖は中2のクラス替えで同じクラスになり、隣の席になった。
認めたくないけど、一目惚れだった。
目立つタイプではないが、いつもニコニコしていてかわいくて、隣にいるとなんか癒されて。
なんとか話すきっかけが欲しくて、教科書を見せろと言ったり消しゴムを借りたり。
いつもは女の方から俺に話しかけていたから、自分から話しかけにいく方法なんてわからねえ。
でも白凪咲玖は、いつも嫌な顔せず快く貸してくれていた。
好かれていると思っていた。
俺の彼女になれたら喜ぶだろうとも。
「お前さぁ、彼氏いるの?」
「いないよ」
「じゃあ、俺と付き合う?」
「付き合わないよ」
予想外の拒否に、酷く動揺した。