蒼永が留学した後、私と桃ちゃん、大志くんの3人は地元の中学に進学した。

中2の時、私は目黒(めぐろ)佑磨(ゆうま)くんという男の子と同じクラス、隣の席になった。

目黒くんは別の小学校から進学し、サッカー部で頭も良くて超イケメン、しかも父親が開業医だとかでめっちゃお金持ちの人気者。

いわゆるスクールカーストトップの人!って感じ。
最初はどんな人かな?って緊張してたけど、教科書忘れたから見せて、とか消しゴム貸してとか、隣の席特有の絡みをしていて、私は結構仲良く話せてると思ってた。

その時は桃ちゃんとも大志くんともクラスが離れてしまって、心細いと思ってたから尚更緊張してたんだよね。


ある時。

「お前さぁ、彼氏いるの?」

と聞かれたので、

「(彼氏は)いないよ」

と答えた。

「じゃあ、俺と付き合う?」

と言われたので、

「(許嫁がいるから)付き合わないよ」

と答えた。
そうしたら、

「――お前、調子乗んなよ」


その日から目黒くんの態度が一変した。


「お前なんか、ちょっと顔がいいだけだから」
「何その頭。色気付いてんなよ」
「トロいんだよ。邪魔」


とにかく嫌われて、嫌われまくった。
目立つ目黒くんがそんな態度なので、段々クラスの中で孤立するようになった。