私はもう一つのプレゼント、アルバムを渡す。
使いたい写真がいっぱいあって、いつの間にか結構なボリュームになっていた。
「これまでのアルバムを使ったの」
「すごい…」
まず開くと、首もすわってない赤ちゃんが二人で並んで寝かせられている写真。
多分これが初の2ショット。
「男の子と女の子ってわかった瞬間におじいちゃんたちが婚約させる!って決めたらしいよ」
「早すぎ…」
ページをめくると保育園生のあどけない幼児時代に変わる。
「この時の蒼永かわいすぎる〜!ほんとに天使!」
「咲玖のほうがかわいいでしょ」
それから小学校の入学式。お互いの母親と一緒に四人で並んでいる写真。
私はニコニコでピースしてるけど、蒼永は無表情だ。
どの写真も基本的に蒼永って無表情ってゆーか、ちょっとぼーっとしてるようにも見える。
「蒼永って楽しんでたの?この時」
「多分」
「多分かぁ」
それから中学生。ここからはそれぞれ別々の写真になる。
「…なんでこんな写真あるの?」
「紫帆ちゃんにもらっちゃった」
「……」
「これが寮?」
「うん、寮のタメのメンバーと撮ったやつ」
「男女含めて6人だったんだね〜」
「…言っとくけど、男女で別棟だよ?寮生なんて少ないから、食事の時は一緒だっただけで…」
「あ、知ってる。紫帆ちゃんに聞いたよ」
そこらへんの前情報は既に聞いてる。
たまに寮生だけでゲームしたりだとか、寮母さんのごはんはおいしかったとか。