「…ボクね、結構男のくせに、とかオカマだとか色々言われてきたんだ。
ボクはボクの好きなことをしてるだけなのに。
だから、咲玖ちんがカッコいいって言ってくれたの、すごく嬉しかった」

「リオンちゃん…」

「性別関係なくボクを見て褒めてくれたこと、すごく嬉しかったよ。
だから…これからも友達として仲良くしてくれると嬉しいな」

「私の方こそだよ…!」


バイト中なのにうるっとしちゃってる…!
最近涙腺ガバガバすぎてダメかも…!!


「咲玖ちんの彼氏にも会ってみたいな〜」
「あ、正確には許嫁なんだ」
「……えっ?」
「私婚約してるの!」


リオンちゃんには話してもいいよね!
友達だし!


「――許嫁!?マジで!?」


…あっ、この反応久しぶりだ。

その後リオンちゃんに根掘り葉掘り聞かれ、許嫁になった経緯を説明した。


* * *


シフト終わり、私はダッシュでジュエリーショップへ向かった。

いただいたばかりのお給料を握りしめ、ショーウィンドウをガン見する。
値段がすべてじゃないけど、それなりに良いものを贈りたい…やっぱりこのエンゲージリング、結構良いお値段すると思うんだよね…。


「何かお探しですか?」


必死にガン見してたせいか、お店の人が声をかけてくれた。


「あ、はい、ネックレスを…」
「プレゼントですか?」
「はい、メンズで…」