* * *


「というわけで、今日紫帆ちゃんと会ってきたんだ〜!」

「へー…」

「あれ?なんで嫌そう??」


今日は蒼永が夕食を作ってくれる当番。
紫帆ちゃんに会ったことを話したら、料理しながら蒼永はちょっと顔をしかめる。


「あいつ変なこと言ってなかった?」
「別に?いつも仏頂面だね〜って話したくらいだよ」
「……。」


あんまり言うとアルバム作ってるってバレそうなんだよね。


「てか、咲玖は嫌じゃないの?」
「何が?」
「その、天野と話すの」
「もう全然!私も紫帆ちゃん大好きだもん」
「そっか」

「あっあとね!今日リオンちゃんからマスカラもらったの!」


じゃーん!とリオンちゃんからもらった、ブラウンのマスカラを見せる。
買って使ってみたけど、思っていたより似合わなくてコスプレメイク向けでもないし、良かったらと譲ってくれた。


「リオンってバイトの子だっけ?」
「そう!コスプレイヤーさんでね、メイクもすっごく上手なの!」
「へー」


リオンちゃんとはメイクの話や服の話ができるのが嬉しいんだよね〜。


「リオンちゃんのコスプレすごいんだよ。本物のキャラクターみたいなクオリティなの!
男の子だけど、本物の女の子みたいにかわいくて…」