イケメンエリート、最後の独身



「萌絵みたいな女の子、俺の人生の中で初めてかもしれない。
 結構、興味がある。ナイチンゲール的な思考ってやつ?
 困ってる人に素直に手を差し伸べる人って、それだけで魅力的だよな」

 ホヨンは萌絵の顎をそっと引き寄せた。

「俺と友達になってほしい…
 俺の足りないものをたくさん持ってる萌絵から、もっと色んな話が聞きたい。
こんな俺と仲良くしてくれる…?」

 ホヨンは友達の印だと言って、萌絵にキスをする。
 萌絵は大きな目を開けたまま、ホヨンの柔らかいくちびるを受け入れた。
 ねっとりとした優しいキスだった。心も体も痺れている。ホヨンの小悪魔的な魅力に萌絵の方がひれ伏していた。

「…と、友達のキスですよね」

 萌絵は息も絶え絶えでそう問いかける。

「今のところはね」

 ホヨンはそう言って、席を立った。お友達のスタッフとお喋りするために。