イケメンエリート、最後の独身



 ホヨンは前のめりになって萌絵の話を聞いている。
 でも、表情は馬鹿にしているような面白がっているようなそんな意地悪な顔をしているから、やっぱり憎たらしい。

「はっきりとした言葉で何かを言われたわけではなくて。
 久しぶりに地元に帰って来たら、他の誰かと結婚してました」

「その恋人が?」

 ホヨンは分かっているくせに、何度も同じ事を聞いてくる。
 苛ついているわけじゃないけれど、ついつい萌絵も言葉が荒くなる。

「そうです! 今、その元恋人の話をしてるんです!」

 ホヨンは萌絵に構う事なくケラケラ笑った。萌絵の反応が面白いらしい。
 すると、萌絵の膝の上で寝ている謙人の体がびくっと動いた。萌絵は大きな声を出してしまったせいだと思い、謙人の髪を優しく撫でる。謙人は、また穏やかな寝息を立てて深い眠りについた。
 萌絵の謙人への仕草は、本当に無意識なものだった。そんな萌絵の行動をホヨンはじっと見ている。