「ロビンさんと待ち合わせをしてるんじゃないですか?
その観劇のあとに」
明智さんは大きくため息をついた。
「待ち合わせはしてるけど、それはどうにでもなるからいいんだけど。
それに、ホヨン君の負担が大きくないかな?」
「大丈夫ですよ。
一人も二人も一緒です」
薄暗い部屋の中、萌絵は二人のやり取りをそっと見ていた。
こういう時に、ホヨンは必ず役に立つ。
アメコミ映画に出てくるスーパーヒーローみたいに、困った時に必ず助けにきてくれる。
クールなホヨンの中に隠れている優しさを萌絵はちゃんと分かっている。
「じゃ、ホヨン君にお願いしてもいいかな?
謙人さん、しばらく起きそうにないけど…」
明智さんはまだ迷っている。こんな状態で先に帰っていいものかと。
ホヨンはスタッフに明智さんのコートを持ってこさせた。
「明智さん、本当、大丈夫ですので。俺に任せてください」
EOCのメンバーに入れる事は、並大抵の事ではない。EOCの会社がどれほど一流で、そこで働くメンバーがどれほど有能な人材かという事を、萌絵だってよく分かっている。
この人達に不可能という文字はない。
明智さんはホヨンの肩を叩いて小さく頷き、そして、お店を後にした。
「萌絵は? まだ飲みたい?」



