イケメンエリート、最後の独身



 ホヨンは店のスタッフと話をしていたらしい。かなり仲がいいのか楽しく笑い合っている。
 トオルに呼ばれたホヨンはそのスタッフに手を振って、萌絵の隣に座った。
 そして、萌絵を見て、もう一度、いわゆる二度見をする。

「え、どうしたの? 急にレディになっちゃってるし」

 ホヨンは決してお世辞は言わない。それはよく分かっている。でも、そんなホヨンの反応に、萌絵の心は少しだけ傷ついた。

「謙人さんのおかげなんです。
 私、こんな素敵な洋服とか持ってないので。
 謙人さんには感謝の気持ちでいっぱいです」

 ホヨンは目を細め、萌絵の事を品定めしているみたいだ。
 萌絵は恥かしくなって、下を向いた。その後のホヨンの言葉を期待していたわけではないけれど、ホヨンは何も言わない。
 まるで、萌絵には全く興味がないみたいに。