謙人がプレゼントしたジュエリーなんか必要なかった。萌絵は萌絵自身の素材だけで美しかった。あり得ないくらいに。
二人はタクシーに乗り込み、またアバンクールヒルズ東京のビルへ戻る。
「あそこのビルの名前、アバンクールヒルズ東京って言うんですね」
抱きしめたいくらいに可愛らしくなった萌絵がそう呟いた。
「そうだよ、知らなかった?」
萌絵はコクンと頷き、肩をすくめて笑った。
謙人はもうクラクラが止まらない。萌絵が醸し出すフェロモンは謙人の大好物だという事がはっきりと分かった。萌絵の見た目も香りもオーラも、謙人にとっては手離したくないくらいに希少なものだ。
「今日の萌絵ちゃんは最高のレディだよ。
皆の驚く顔が目に浮かぶ。堂々と自信を持って楽しめばいい。
最高の夜になるよ、きっと…」



