イケメンエリート、最後の独身



 トオルと謙人はそんな萌絵をジッと見ていた。
 でも、トオルはすぐにカレーを食べ始める。きっと、相当、お腹が空いていたに違いない。美味しい!と何度も叫んでいる。

「謙人さんも… どうぞ」

 萌絵は謙人の顔をまともに見れない。謙人は、絶対、何かに気付いている。謙人の顔は険しいままで、萌絵から視線を外してくれない。
 萌絵は謙人の視線に気付かないふりをして、自分もカレーを食べ始めた。でも、謙人の鋭い視線が気になって、ロボットのような動きになってしまう。

「美味しいです…」

 萌絵はたくさんのカレーを頬張りモグモグしていると…

「うん? え? あ、辛い~~~」

 萌絵が食べたカレーは謙人が頼んだものだった。

「萌絵ちゃん、まさか、辛さ4倍カレー食べちゃった?」

 萌絵は紙コップに入った水を一気飲みする。でも、それでも足りなくて、ウォーターサーバーのあるところまで走った。三杯ほど一気飲みをして、大きく息を吐く。