イケメンエリート、最後の独身



「は、はい」

 萌絵はハッとした顔をして、ホヨンに何度も頭を下げた。そして、歩き出そうとした時、ホヨンが萌絵の手を掴む。

「ちょっと待って。帰り道を教えるから」

 ホヨンはEOCの入っているビルを教えてくれた。絶対に迷わないように、たくさんの目印も。

「あと、ほらこれも」

 ホヨンはそう言うと、自分が巻いていたマフラーを萌絵の首にグルグル巻きつける。
 カシミヤみたいな肌触りのいい柔らかいマフラーは、まだホヨンの温もりが残っている。

「こんな寒い日にコートも着ないでウロウロして、体が冷え切ってるじゃん。
 さっき、手を触ってびっくりしたよ。
 萌絵が風邪をひいたら、俺がみんなに怒られるんだからさ。
 ほら、早く行って、行って」

 ホヨンはキュートに微笑んで、萌絵の背中をゆっくりと押してくれた。

「それと、あの二人に俺が助けたなんて言わないでね。
 萌絵が自力で取ってきたって言うんだぞ~」