謙人は自分に自信がある過ぎるあまり、他人にあまり興味がない。人間観察とか苦手なタイプだ。
究極のマイペースで人に左右される事が大嫌いな人間だった。
ホヨンに関しても、同じ会社の人間というだけでさほど興味はない。
「萌絵ちゃんの担当に、もしかして彼は適任じゃなかったかもしれないな。
ジャスティンみたいにフレンドリーな性格じゃないし、利害関係のない他人には全く興味もないみたいだし」
謙人は何も答えなかった。
空になった紙コップを握り潰しそうになっている。
「状況次第では、明智君に変わってもらう事も考えておくよ」
トオルはそう言いながら、自分のブースへ消えていった。
謙人は誰もいなくなった事を確かめると、紙コップをあっという間に握り潰した。そして、ダストボックスに投げ入れる。
何に対しての怒りなのか分からない。でも、気分は最低だった。



