イケメンエリート、最後の独身



 トオルが謙人の元へ戻ってきた。
 奥のスリースペースでホヨンの厳しい指導を受けている萌絵を見て、ちょっと意外そうな顔をしている。

「萌絵ちゃんって子…
 途中でリタイアになるかもしれないな」

「え、何で?」

 謙人はトオルのその言葉に少しだけカチンとくる。

「ホヨンの話では、そうとう物覚えが悪いらしい。英語はよく話せるけど、IT関連の単語とか全く知らないらしいし、まずは、デスクワークに向いてないような事を言ってた」

 謙人は必死に冷静を保っていた。

「そりゃそうだよ。
 ずっとボランティアで慈善事業をしていた子が、一日二日でこの仕事に慣れるわけないし、そういうのもふまえてソフィアは採用したんだろ」

 謙人は、残っていたコーヒーを一気に飲み干す。

「時間をかけてゆっくり覚えていけばいいんだよ。
 そういう指導ができないのなら、それはホヨンに問題があるな。
 ジャスティンは根気よく優しく舞衣に教えてた。萌絵ちゃんも舞衣タイプだと思うよ。要領は悪いけど一生懸命なタイプ」

 トオルも同感しているみたいだ。何度も頷いている。