イケメンエリート、最後の独身



 ピンク色のオーラがより強く濃くなって見える萌絵の空間に、謙人は身を投じる。気持ちがよくてたまらない。
 萌絵はきっと俺にとっての天使に違いないと思えるほど。
 キスを終えて頬を染めた萌絵が、謙人に大丈夫?と聞いてきた。
 大丈夫じゃない…
 萌絵の存在は謙人の思考回路を全て破壊させる。苦しくて息ができないほどに。

「萌絵ちゃん、これ飲むよ」

「え? これをですか?」

 萌絵は驚いて、レモンがたっぷり入った炭酸水を指さした。

「そう」

 謙人は飲まずにはいられなかった。
 萌絵と真剣に向き合って色々な話をしなきゃいけないのに、心のどこかでその話を避けている。

「喝を入れるためにも、飲んだ方がいいんだ」

「喝? 何の喝?」

 萌絵は自分が作ったものなのに、謙人に飲ませるつもりはなかったらしい。  
 謙人を笑わせるためのアイテムの一つに過ぎなかった。