「よかった… 謙人さんが笑ってくれて」
謙人は心を鷲掴みにされる。萌絵の謙人を思いやる心が透けて見えて、愛おしい気持ちだけで心が爆発しそうになる。
好きで好きでたまらない。苦しいほどに。
謙人は周りが静かになっている事に気付いた。
「あれ、みんなは?」
萌絵は、今、思い出したようにトオルからのメッセージを、謙人に伝える。
「みんな、愛する人が家で待っているので先に帰りますとのこと。
李さんとホヨンさんも他の用事があるそうで、一緒に帰りました。
ここは10時まで使えるのでゆっくりしてくださいっていうのが、トオルさんからの伝言です」
謙人はトオルの余計な気遣いに笑いさえ出る。
色々な意味で萌絵とちゃんと向き合えと裏の意味が伝わってくる。
謙人は我慢できずに萌絵にキスをした。
こんなに苦しくて切なくて、萌絵を愛する気持ちに蓋なんかできない。
出会った頃よりも、昨日よりも、更に今のこの瞬間よりも、萌絵を愛する気持ちはどんどん膨らみ続ける。
キスをしてもしても、し足りなかった。でも、必死に萌絵の柔らかいくちびるから自分のくちびるを引き剥がす。
これ以上続けたら、公然わいせつ罪で捕まってしまう。



