イケメンエリート、最後の独身



 謙人はその答えを分かってはいるけれど聞かずにいれなかった。もう、頭の中が嫉妬の感情に埋め尽くされている。

「治まる?
 治まる事なんて永遠ないよ。
 死ぬまでそのジェラシーとは付き合うんだ。
 もう、完全にお前は萌絵ちゃんの下僕になってしまったって事だよ」

「下僕? 何だそれ?」

 トオルはケラケラと笑った。

「愛する女性のためなら火の中水の中、っていうやつさ。
 何でもしてあげたくなるし、その人のためなら跪く事だってできる。
 殺人だって厭わない。
 今のお前なら理解できるだろ?
 以前のお前なら、あり得ないって大笑いしてたけど」

 謙人は必死の思いで萌絵から視線を外し、トオルを見た。

「トオル…
 例えば、加恋ちゃんに、お前以外で心を惑わす男が現れたらどうする?」

 謙人の質問に、トオルの表情がガラリと変わる。
 完全に裏の顔が出てしまっている。

「殺す…かな」