「謙人さん、皆の前でもこんな感じになっちゃいますよね?」
謙人はソファに座らず、こたつに入っている萌絵を背中から抱きしめている。
「せっかくこんな素敵なソファを買ったのに」
謙人は苦笑いをしながら、もっと萌絵を抱きしめる。
「ソファかこたつか?っていうのは俺には関係なくて、萌絵ちゃんがどこにいるかだから」
萌絵は背中越しに感じる謙人の温もりに身を任せる。
「送別会、大丈夫かな…
謙人さんはオープンにはしたくないんですよね?」
「みんなの嬉しそうな顔を見たくない。
俺は、あいつらが恋に落ちて沼に嵌まっていくのを見届けてきた人間だから。
結構、馬鹿にしてたし、大変だな~って憐れんだりしてた。
羨ましいなんて一度も思った事はなかったし、みんなの沼に堕ちて行く過程が面白くて笑ったりしてたんだ。
今さらながら、俺も沼に落ちました、なんて言えないよ」
萌絵は肩をすくめて首を横に振る。
「謙人さんが我慢できればの話だけど…」
「我慢できるよ」
「私がホヨンさんと仲良く話しても?」
謙人は萌絵の体を強く抱き寄せる。
「それは、ダメかも…
だって、ホヨンと萌絵ちゃんはキスをした二人だから」



