「萌絵ちゃん…」
謙人が用意した夜景の見える豪華なバスルームで、萌絵と謙人は激しく愛し合う。萌絵の吐息は、謙人を天国へ導いていく。そして、謙人の肌の温もりは萌絵を謙人と同じ場所へ連れて行く。
そんなかけがえのない時間を、謙人と共有する幸せは何ものにも代えがたい。そ萌絵と謙人は何度も何度も抱き合った。足りない時間を補うように。
きっと、萌絵がドイツに発つ日まで、こういう日々が続く。
いつかどこかで、二人の未来についてしっかりと語り合わなければいけない事を、お互いちゃんと分かっている。
でも、今は考えたくない。
生まれて初めてとか、最初で最後とか、一生に一度とか、今のこの燃え上がる特別で貴重な情熱を楽しみたい。
生温いピンク色のお湯の中で、二人は無我夢中で愛し合った。
もう、そんなに時間は残されていない事を心のどこかで感じながら。



