「でも、場所は離れても友達でいて下さい。
短い間だったけど、ホヨンさんと知り合えてとても楽しかったから」
ホヨンは萌絵の肩に優しく手を置いた。そして、萌絵の顔を斜めから覗き込む。
「謙人さんとはちゃんと話はできたの?」
「え?」
ホヨンは物知り顔で萌絵に笑って見せる。
「謙人さんってさ…
男女問わず、すごく人気があるんだ。EOCの中でも一人だけ異質で、真剣に恋愛しないし、だから結婚にも全く興味がない。ニュートラルなところが魅力的で男も女も皆、謙人さんの事を好きになる。
俺にとっても、謙人さんはカリスマ的な存在だった」
萌絵はホヨンの瞳が少しだけ潤んでいるように見えた。どういう心情なのかは分からないけれど。
「萌絵が現れた途端、謙人さんが謙人さんじゃなくなった。
萌絵に一目ぼれして初めて恋愛と向き合っている謙人さんを見て、俺の中で何かが弾け飛んだ。
その頃は悔しい気持ちが大き過ぎて、萌絵に意地悪な態度で接して悪かったって反省してる…」
萌絵はホヨンのさりげない告白に頭の整理が付かない。ホヨンは謙人の事を好きだったという事?



