イケメンエリート、最後の独身



「萌絵ちゃん… 今度は俺からキスをしていい?」

 萌絵の返事など待たずに、謙人は熱いキスを萌絵に贈る。
 ホヨンとのキスがどういうものだったか、そんな事は関係ない。このキスでホヨンとのキスの記憶を消し去りたい。
 謙人自身、こんなキスは初めてだった。
 好きという感情が大き過ぎて、涙が出そうになる。こんなに余裕のないキスをしている自分が信じられなかった。
 萌絵はきっと蕩けている。謙人自身もそれ以上に蕩けている。
 このまま萌絵を奪ってしまいたい。できることなら永遠に…

「謙人さん、どうしちゃったんですか…?」

 萌絵は息も絶え絶えそう聞いてきた。
 謙人はそんな萌絵を力強く抱きしめる。

「やっぱりまだ酔っぱらってるのかもしれないな…」

 謙人はこんなに弱気な自分に泣きそうになる。
 萌絵はホヨンに惹かれているのかもしれない…
 その事が頭から離れずに、謙人を苦しめていた。

「萌絵ちゃん…
 今日、このまま泊っていい?
 また、頭痛がしてきた…」

頭痛は別の理由だけど。