「どういうこと……?」
晴人の顔が見られない。
「バイト帰りに偶然会って帰ってきたの。そしたら……」
「告白……されたのか?」
「……好きと言われた……」
はーっと息を吐いた晴人が上を向いた。
「何も返事してない。だってちょうど晴人が走ってきたし……」
「俺を認識しても、宣戦布告してくるほど、奈由を奪う気まんまんなんだな。詩乃が言う通りの人だな。」
なんか、私の気持ちは置き去りなんだなと寂しく感じた。
信じてくれないんだ。聞いてもくれないんだと思った。
「奈由?」
「ううん、大丈夫だよ。晴人の彼女になったばかりだし。」
晴人は私を抱き寄せて頭の上にキスすると、解放してくれた。エントランスには、人の出入りがある。
「奈由、明日は午後から授業だから、今日お前の部屋に泊まってもいい?」
「え?」
もちろん、恋人になったのだからそういうこともあるかと思ったけど、私経験がない。
「あ、あのね。嫌とかじゃないの。えっと、そういうの……初めてなの。だから……」
「嬉しいよ。初めてくれる?」
見上げるとにっこり笑う晴人。
うん、大丈夫。私は晴人のこと好きだから。
でも、さっきのモヤモヤが少し残っていた。
払拭したくて、返事をする。
「わかった。じゃあ、そこのコンビニで少し食べ物と飲み物買っていく。」
ふたりでチューハイやつまみ、お菓子や明日のパンなど買って部屋へ戻った。
部屋へ入るとすぐに抱きしめられた。深く口づけられて、嵐のような晴人に翻弄された。
こんな晴人知らない。とにかく、初めてだったこともあり、びっくりした。
朝起きてシャワーを交代で浴びた。
遅い朝ご飯を食べ終わると、またそういう雰囲気に持って行かれた。
三限に間に合うように四十分前に着替えようとベッドから立ち上がろうとしたら、腰が重くて起きられない。
そんな私を見た晴人は、「ごめん。やり過ぎたな。加減できなくて、ホントごめん。」とうなだれた。