あとに残されたロバートの顔が大きく歪んだ。
「……このクソ女がぁッ! 僕を愚弄しやがって! これじゃ僕の計画が台無しじゃないかッ! このままじゃ、僕が困る! この僕が、こんな田舎まで来てやったのに!!」
地団太を踏んで怒り狂うロバートは、後ろに黙って控えていた護衛騎士たちに命令する。
「おい、アルベルティーヌを無理やりでも捕らえて馬車にのせろ! 首都へ戻るぞ! 暴れるなら気絶させてもいい!」
「し、しかし、アルベルティーヌ様に手荒な真似をすれば、ハルベリー伯爵が黙っていないのでは……」
「うるさいッ! ハルベリー伯爵への言い訳なら俺が考えてやる! ついでにそのいけ好かない、パメラとかいうおしゃべり女を殺せ! これは命令だ!」
護衛騎士たちは戸惑いながらも剣を抜く。王子の命令となれば、さすがの騎士たちも従わざるをえない。
「アルベルティーヌ様! パメラ嬢! 俺の後ろへ!」
アルベルティーヌとパメラの前に、剣を抜いたダグラスが躍り出る。しかし、多勢に無勢だ。護衛騎士たちは4人。王子の護衛となれば、精鋭揃いだろう。
一発触発の事態になった。
アルベルティーヌが怯えた顔をしてパメラの腕をぎゅっと掴み、パメラは果敢にもロバートを睨みつける。
ロバートが小馬鹿にしたように笑った。
「フン。悪あがきもたいがいにしたほうが――……」
「双方、剣を収めよ!」
ふいに、威厳に溢れた鋭い声が辺りに響く。ロバートの肩がビクリと跳ね、アルベルティーヌは驚いた顔をした。ダグラスをハッとした顔をして、地面に膝をつき、首を垂れる。
「ロバート殿下、これはどういう状況か、説明していただけますかな? なにゆえ私の娘が、危険な目に遭っているのか……」
物陰からひとりの重苦しい雰囲気を纏った紳士がこちらに向かって歩いてきた。髪はプラチナブロンド。アルベルティーヌと同じ色だ。
「……このクソ女がぁッ! 僕を愚弄しやがって! これじゃ僕の計画が台無しじゃないかッ! このままじゃ、僕が困る! この僕が、こんな田舎まで来てやったのに!!」
地団太を踏んで怒り狂うロバートは、後ろに黙って控えていた護衛騎士たちに命令する。
「おい、アルベルティーヌを無理やりでも捕らえて馬車にのせろ! 首都へ戻るぞ! 暴れるなら気絶させてもいい!」
「し、しかし、アルベルティーヌ様に手荒な真似をすれば、ハルベリー伯爵が黙っていないのでは……」
「うるさいッ! ハルベリー伯爵への言い訳なら俺が考えてやる! ついでにそのいけ好かない、パメラとかいうおしゃべり女を殺せ! これは命令だ!」
護衛騎士たちは戸惑いながらも剣を抜く。王子の命令となれば、さすがの騎士たちも従わざるをえない。
「アルベルティーヌ様! パメラ嬢! 俺の後ろへ!」
アルベルティーヌとパメラの前に、剣を抜いたダグラスが躍り出る。しかし、多勢に無勢だ。護衛騎士たちは4人。王子の護衛となれば、精鋭揃いだろう。
一発触発の事態になった。
アルベルティーヌが怯えた顔をしてパメラの腕をぎゅっと掴み、パメラは果敢にもロバートを睨みつける。
ロバートが小馬鹿にしたように笑った。
「フン。悪あがきもたいがいにしたほうが――……」
「双方、剣を収めよ!」
ふいに、威厳に溢れた鋭い声が辺りに響く。ロバートの肩がビクリと跳ね、アルベルティーヌは驚いた顔をした。ダグラスをハッとした顔をして、地面に膝をつき、首を垂れる。
「ロバート殿下、これはどういう状況か、説明していただけますかな? なにゆえ私の娘が、危険な目に遭っているのか……」
物陰からひとりの重苦しい雰囲気を纏った紳士がこちらに向かって歩いてきた。髪はプラチナブロンド。アルベルティーヌと同じ色だ。

