私の名前は藍沢唯、2歳。家の近くの保育園に通っている。その保育園には私の好きな人がいる。今日もあの大好きな笑顔を見るために、足早にお母さんの手を引いて歩く。いつも通り、先生に挨拶し、みんなの輪に入った。その中に誰よりも輝いている眩しい笑顔があった。その子こそが私の好きな人、橙乃明くんだ。1年前、この保育園に通い始めた頃私を優しく迎え入れてくれた。その日以来片思い中だ。
（今日は何をするのだろう?お絵描きかな?それともゲームかな?）考えていると先生が来た。「今日は鬼のお面を作ろう」（鬼のお面?なんでだろ?今日ってなんかあるっけ…あ、節分じゃん!）だから先生はそんなことを言い出したのだ。（鬼のお面か…楽しそう。）
早速製作活動に入った。黙々と作っていると明くんが私に話しかけてきた。「一緒に作ろう」（どうしよ!明くんが一緒に作ろうって!ええ、やばい照れちゃう）「いいよ」戸惑いながらも返事をした。
それから、2人で鬼のお面を作った。いい出来栄えだった。