魔女の瞳Ⅳ

互いスピード負けしない、高いレベルでの攻防。

致命傷は与えるに至らない。

かすめる程度の攻撃をお互いに何十合も繰り返しながら、本気の殺し合いは延々と続く。

…完全に本気だった。

この後に控えるホプキンスとの戦いなんて全く頭にない。

今は時貞とジルコー、互いの命を奪う事だけに全力を費やしている…!

「っらぁっ!!」

「はぁぁあっ!」

ジルコーの拳が、時貞の柄尻での一撃が、互いに直撃する。

いや、敢えて両者とも避けなかったのだ。

受けた所で致命傷にはならない攻撃。

むしろこの攻撃を回避すれば、致命的な隙へと繋がる。

故にわざと受けた。

そしてそこから。

「死ねやゴルァアァァッ!」

「それは貴様だ!」

両者ほぼ同時に、本命の攻撃を繰り出す!