「そいつは違うぜ、四門」

ジルコーが異議を唱える。

「いつから俺達は仲間になった?百禍の時だって、たまたま敵が共通だから共闘しただけだ。俺が仲間として認めてるのはお嬢ちゃんだけだぜ。少なくとも」

時貞をギロリと睨んで。

「この侍野郎を仲間だと思った事は一度もない。俺は一匹狼だ」

その言葉に。

「人狼の一匹狼か。上手い事言ったつもりか?」

目を閉じたまま時貞が言う。

こんな時に揚げ足取らなくたって…。

案の定。

「あぁ…?」

ジルコーは身を乗り出した。

「人型の肉体手に入れていい気になってんなよ?一度は俺に負けた分際で。侍とやらは、生き恥晒すのはご法度なんじゃねぇのか?」

「残念ながら既に死んだ身だ。生き恥とは言わん…獣には理解できぬかもしれんがな」

「ほぅ…」

ビリビリと。

痺れるような殺意がジルコーの身から放たれる。

「四門…ちと地下室借りるぜ…」