「よく聞け、汚らしい死体使い」

ホプキンスは菊花の頭を水槽にねじ伏せたまま言う。

「貴様のような魔女はこの世に存在するだけで罪なのだ。その身は焼かれ、引き裂かれ、冷たい水の底に沈められて尚足りぬ。魂魄のひとかけらさえもこの世に存在してはならぬ…故に私は責め立てるのだ。愛らしい姿で人々をたぶらかす、狡猾な悪魔の手先め」

もう一度、一瞬だけ呼吸をさせようと菊花の顔を上げる。

と。

「がはっ…あ…悪魔の手先はどっちよ…この変態サディスト!」

気丈にも。

息絶え絶えになりながら、菊花は毒づいた。

「小銭欲しさに罪もない人間を魔女に仕立て上げた外道!あんたこそこの世に存在しちゃいけない人間よ!」

「口が減らないな。もう少しお仕置きが必要か?」

そう言って。

ホプキンスは再び菊花を水槽の中に沈めた。

今度は容赦がない。

水槽の中で菊花の首を絞め、肺の中から酸素の一滴残らず搾り取る。

水の中で呼気を全て吐き出さされ、菊花は声なき声でうめいた。

魔女とて水の中では息はできない。

ましてやこの空間では魔術は行使できないらしい。

菊花は只の女でしかなかった。