魔女の瞳Ⅳ

治癒魔術が効果を発揮しないのであれば、私達がここにいてもできる事はない。

「後で薬草を練った傷薬を、長老に届けさせるわ。桜花に塗ってあげて。市販の薬や病院通いより、ずっと効くわ」

帰り際、ジルコーに伝える。

「四門」

ジルコーは神妙な顔をする。

「男の事、わかったら教えろ。俺も手を貸す」

「……」

私はフッと笑う。

「敵討ち?随分桜花にご執心なのね」

「ああ。お嬢ちゃんの髪は俺が貰う予定だったからな。それを燃やしちまいやがって…食いちぎってやる必要がある」

ジルコーはギラリと眼を光らせた。






…私と修内太は桜花のアパートを出た。

「ねぇ修内太」

「ああわかってる」

言い終わらないうちに修内太が頷く。

「今日からしばらく魔術修行は中止だな。そんな事やってる場合じゃない」

こういう時、息の合う者は皆まで説明しなくていいから助かる。

「少し調べ物をするわ…念の為、修内太もあまり夜は出歩かないで」

私は険しい表情を見せた。

「嫌な予感がするわ…」