魔女の瞳Ⅳ

私の持つ呪眼は、膨大な数の魔術を蓄積した魔術品。

と同時に、時折予知にも似た効力を発揮する。

呪眼を持つ者に危機が近づく時、それを予知夢として知らせる事があるのだ。

私自身、それで過去に何度か救われた事もある。

しかし、今回のケースは初めてだ。

現実とリンクしていた夢なのだろうか。

偶然にしては、傷跡まで一致しているのは出来すぎている。

もし、あの夢が現実だったのだとすると、あの夢に出てきていたあの男は…。

「メグ…どうした?」

修内太が私の横顔を見る。

「急に黙り込んで…何か思い当たる節でもあったか?」

「ええ…あるにはあるわ。今はまだ確証は持てないけどね」

私は長い黒髪を片手で払った。