長い夜が明けて、翌日。

しばらく家の中で過ごしていると、帰る予定の時間になった。

時刻は午前11時過ぎ。

荷物を持ち、ヨウの部屋を出て、階段を降りた。

玄関で靴を履いていると、ヨウのお母さんがあたしを見送る為にやって来てくれた。

『ミツバちゃん、遊びに来てくれてありがとう!また来てね。ヨウはあんまり気の利いたこと言わないけど、良い子だから!今後もよろしくね!』

『夜ご飯と朝ご飯、ごちそうさまでした!美味しかったし、楽しかったです!』

『いえいえ。あら?ツクシは?まだ寝てるのかしら。お見送りもしないなんて。』

ヨウのお母さんは少し驚いたように言った。

『…じゃあ、俺。駅まで送ってくるわ。』

いつもと同じように、ヨウは駅まで一緒に来てくれる。

『気をつけてね、ミツバちゃん。またね!』

『ありがとうございました!お邪魔しました!』

ヨウのお母さんが手を振ってくれた。

あたしは深々とお辞儀をして、家の外へ出た。