あたし達の関係に変化が訪れたのは、高校受験を直前に控えた中学3年の冬のこと。

『このタイミングで告白するのはあまり良くないかも知れない…。でも好きだ。付き合ってほしい。』

ヨウから告白をされた。

素直に嬉しかった。

家で遊ぶようになった頃から予感はあったわけだし。

でも…。

でもね…。

この頃にはもう、ツクシくんのことを好きになってしまっていた。

まず、見た目が好みだった。

第一印象は綺麗な顔って思った。

中性的な顔立ちから溢れる無邪気な笑顔のせいで、鼓動を加速させられた。

そして、いつもあたしのことを喜ばせようとしてくれた。

あたしは何も返せていないのに。

ツクシくんと過ごした時間の中で、どれだけ笑わせてもらったか分からない。

だけど…。

ヨウも常にあたしのことを気にかけてくれた。

優しくしてくれた。

辛いことがあった時も側にいてくれた。

大切な存在だ。

だからあたしは、ヨウの告白を受け入れた。

もし仮に振ってしまったら…。

あたしとヨウは、同じ高校を受験する予定だった。

気まずくなって、勉強に支障が出ることも避けたかった。

それにあたしなんか、相手にされるはずがない…。

こんなにもステキな子、同級生達が放っておくはずがない。

外見も綺麗。

内面もサービス精神旺盛で、他人を喜ばすことができる人。

そんな人と釣り合うわけがない…!

そう思ったあたしは。

2番目に好きな人と付き合い始めた。