「お父さんっ!」


 声をあげて、わたしはベッドから飛び起きた。見慣れたいつものわたしの部屋。刹那に見たのはきっと、今は亡き父の姿。

 なぜそう思うのかはわからない。だけど、わたしにはわかる。今のはお父さんだ。きっとわたしの未来を案じて夢に出てきてくれたんだ。

 時計を見ると深夜二時をまわっている。

 わたしは優陽の部屋に行くと、物音を立てずにそっと家を抜け出して、ふたりで夜の公園へと向かった。