私が動揺していると
勇気が目を覚ました。

「っ!!」

すごい勢いで起きて
私をのぞき込む。

「おい! お前、大丈夫なのかよ!?」

そう叫ばれ
私は大きい声に更にびっくりした。

「こーら! ここ保健室だよ! 声が大きすぎる!」

「ご、ごめんなさい」

先生に怒られた勇気は小声になって

「で、どうなんだよ?」

「う、うん、切り傷が少し大きいから病院行くって先生が」

「そ、そうなのか? 先生!」

勇気が先生を呼び出す。

「そうだよ、今から病院行くんだ。心配だろうけど勇気は授業戻りな?」

「は、はい……」

そう先生に返事した勇気は私に向き直って

「本当に無理するなよ、ちゃんと医者に見てもらえよ?」

そういい、頭をぽんぽんされた。

ドキッ

またこの感情……
私、まさか……

「じゃあな!」

そう言い、勇気は保健室を後にした。