初日、おのおのの寮の部屋番号が発表され
それぞれが部屋に向かっていく。

私は緊張の面持ちで
ドアを
コンコン
とノックした。



中からの返答はない。まだ来ていないようだ。

私はおそるおそるドアを開けた。

やはり誰もいなかった。恋愛に興味がないので3年間一緒に生活する人物が自分に害がないか気になるものである。

部屋に入りソファが目に入ったので一旦、腰をかける。

「ふぁー」

緊張からの脱力感が半端じゃなくて力が抜ける。

すると…

バンッ!!

大きな音が部屋に鳴り響いた。

私は気が抜けてダラーンとしたまま
音がした玄関の方を見た。

すると

「よお! 初めまして」

そう話しかけてくる。
きっとこの人がパートナーなのだろう…

「は、初めまして…私…」

「俺、勇気! よろしく!
つっても俺、結婚とか興味ないから!」

私が自己紹介しようとしたら先に言われてしまった。

そして、結婚には興味ないって…私と同じじゃん!

「わ、私はつかさ。私も結婚は興味なくて大企業の社長の奥さんになってお金持ちになるのが目標だから!!」

先に言われたのがなんだか悔しくて
勢いよく言ってしまった。

「お、おう…」

ちょっとひかれてる…。

「いいんじゃねぇか?お互い3年間楽だし」

でも、なんかこいつ腹立つ言い方するなー。

3年間少し不安。

「まあ、よろしくー」

そう言うと彼は
自分の荷物を整理し始めた。私の存在はなかったことのように。

私も荷物、整理しよう。

そんなこんなで
入学初日は終わろうとしていた。