【掴めない:side柊馬】
今日は新入生歓迎会
普通こういうのは先輩たちが用意してくれるけど俺たちは一期生だからどんな歓迎会になるのか全く想像がつかない...
体育館に全員が集まるのは入学式以来のことだ
まさか俺のパートナーがほんとにアイツになるなんてな...
歓迎会が始まってステージに見えたのはやはり七海夫婦
「今日は先輩も後輩もいない君たちのために私達が新入生歓迎会を企画しましたー!」
あぁ...ぜってぇクソみたいな企画だろうな
と素直になれていないがほんとうは紅羽と仲良くなれるチャンスだと喜んでいたりもする
「まだ出逢ったばかりのパートナーとどうやって距離を縮めていいか悩んでいる子もいるはずだから力になりたいと思って、こんな企画を用意しましたー!」
そう言って学園長がパチンと指を鳴らすとどこから出てきたのか体育館の天井か
らふわりふわりとハート型の風船が舞っている
「この風船の中には色んな質問の書かれたカードが入っています、2人で風船を割ってゲットした質問に答えあってお互いを知るきっかけにしてね、1番多く割れたカップルには食堂タダ券1ヶ月分をプレゼントしまーす」
チッ...舐めやがって、そんなくだらないこと俺がなんでやらなきゃなんねぇんだよ
「それじゃあスタート!」
まぁ男慣れしていない紅羽はどうせ照れてひとつも割れないだろうな、しょうがねーからコイツのペースに合わせてやるよ
なんて呑気なことを考えていると
紅羽はすかさず風船を挟んで俺に勢いよく抱きついてきてパーンッとひとつめが割れた
状況が理解できないまま中に入っていた紙がひらひらとスローモーションのように落ちていく
は????
紅羽は顔も赤らめず、ほかのカップルのように恥ずかしがることもない
むしろここで優勝してやるとでも言わんばかりの勢いだ
入学前に俺を助けてくれた時は手を繋いでただけで顔を真っ赤にしていたのにいったい何故なんだ....
あの時のダセェ俺を見られていると思い返すだけで恥ずかしいがそれ以上に情けなくて悔しい
このままペースを持ってかれるのも癪に触る
俺から強く抱きしめたら意識してもらえるかもしれない
「紅羽、ほら」
俺は両手を広げて紅羽を腕の中へ誘う
「ありがとっ...!!」
クソっ...俺から抱きしめても名前で呼んでも効果ゼロかよ...俺はお礼を言わせたかったわけじゃねぇ
紅羽は本当に掴めないけどそんなとこも面白い
コイツを絶対俺に惚れされてやると謎に気合が入ったのだった
今日は新入生歓迎会
普通こういうのは先輩たちが用意してくれるけど俺たちは一期生だからどんな歓迎会になるのか全く想像がつかない...
体育館に全員が集まるのは入学式以来のことだ
まさか俺のパートナーがほんとにアイツになるなんてな...
歓迎会が始まってステージに見えたのはやはり七海夫婦
「今日は先輩も後輩もいない君たちのために私達が新入生歓迎会を企画しましたー!」
あぁ...ぜってぇクソみたいな企画だろうな
と素直になれていないがほんとうは紅羽と仲良くなれるチャンスだと喜んでいたりもする
「まだ出逢ったばかりのパートナーとどうやって距離を縮めていいか悩んでいる子もいるはずだから力になりたいと思って、こんな企画を用意しましたー!」
そう言って学園長がパチンと指を鳴らすとどこから出てきたのか体育館の天井か
らふわりふわりとハート型の風船が舞っている
「この風船の中には色んな質問の書かれたカードが入っています、2人で風船を割ってゲットした質問に答えあってお互いを知るきっかけにしてね、1番多く割れたカップルには食堂タダ券1ヶ月分をプレゼントしまーす」
チッ...舐めやがって、そんなくだらないこと俺がなんでやらなきゃなんねぇんだよ
「それじゃあスタート!」
まぁ男慣れしていない紅羽はどうせ照れてひとつも割れないだろうな、しょうがねーからコイツのペースに合わせてやるよ
なんて呑気なことを考えていると
紅羽はすかさず風船を挟んで俺に勢いよく抱きついてきてパーンッとひとつめが割れた
状況が理解できないまま中に入っていた紙がひらひらとスローモーションのように落ちていく
は????
紅羽は顔も赤らめず、ほかのカップルのように恥ずかしがることもない
むしろここで優勝してやるとでも言わんばかりの勢いだ
入学前に俺を助けてくれた時は手を繋いでただけで顔を真っ赤にしていたのにいったい何故なんだ....
あの時のダセェ俺を見られていると思い返すだけで恥ずかしいがそれ以上に情けなくて悔しい
このままペースを持ってかれるのも癪に触る
俺から強く抱きしめたら意識してもらえるかもしれない
「紅羽、ほら」
俺は両手を広げて紅羽を腕の中へ誘う
「ありがとっ...!!」
クソっ...俺から抱きしめても名前で呼んでも効果ゼロかよ...俺はお礼を言わせたかったわけじゃねぇ
紅羽は本当に掴めないけどそんなとこも面白い
コイツを絶対俺に惚れされてやると謎に気合が入ったのだった