最愛の婚約者が記憶喪失になった話

゚・*:.。❁



ある日の土曜日。

俺と初はりぼんランドに来ていた。


「あの……」


そこで初が、あるものを見て困惑している。


「これ、本当に着たんですか?」


初は『初デート』と大きく書かれたTシャツを拡げて、俺を見上げた。


「うん。改めて見るとやっぱりすごいTシャツだよねー」

「……」


今ドン引きしてるけど、作って持ってきたのあなたですから。


「そんでこれがしおり」


俺は鞄からしおりを取り出して初に渡す。


「しおりまであるんですか!」

「うん。これも初が作ったんだよ」

「私が…?」


初は興味津々にしおりをペラペラとめくっている。

…不思議だ。初が自分で作ったものを初めて見るかのようにまじまじと見てる。