次の日も、学校とバイトが終わるとすぐに帰り、眠っているイチに話しかけた。

 今日、バイト先の先輩に告白をされたことを、すぐに報告しようと思ったから。

「ただいま…今日ね、バイト先の先輩に告白されちゃった…。でもね、断ったよ。好きな人がいます、って…。だからイチ…起きてよ……」

 私はイチを抱きしめたまま泣いていた。

「イチは私の『特別』…!大好きだよ、イチ…!!イチがいてくれて、ほんとに良かった…!楽しいもん、イチとおしゃべりするの…!!起きて…起きてよイチ……」

「…ん…」

 イチが、動いた…
 やっと声が聞けた。

「…イチ!!」

 私はすぐにイチの手を取る。

「…本当に、ミオ、泣いてた…ご主人様が言った通りだった…!ごめんなさい、ミオ…!!」

 目覚めたイチは満面の笑みで私を見つめる。
 私はすぐに頭を下げた。

「イチ…!!っ…ぐすっ……わ、私こそごめんね…イチに酷いこと言っちゃった…。自分のせいでイライラしてたの…」

「ご主人様が、ミオが泣いてたって言ってたよ…。ミオに叱られて悲しくなって、そうしたら僕、動けなくなった…ごめんね、ミオに心配かけたよ…」