「…変なもの、入ってませんように…!」

 中を傷つけないよう気をつけてカッターで浅く切り込みを入れ、恐る恐る箱を開けると…

「…ひっ…!!男の人…!?」

 中に入っていたのは、私とあまり年の離れていなそうな若い男の人。
 その人は眠るように目を閉じて箱の中に座っていた。

 だいぶ混乱した私は叫ぶのを必死で我慢し、その人の肩を強く揺する。

「だ、大丈夫…ですかっ…!?」

 しかしその人は微動だにしない。

(息、してない…やっぱり死体…!?…あれ、でも…)

 一度深呼吸をして少し落ち着いてきたのでよく見てみると、顔は妙にとても整っているし、変なニオイもしない。
 私はやっと落ち着きを取り戻す。

(もしかして、人形…?でも、何でこんなのがうちの前に?まさか盗品じゃないよね…?こんな質が良さそうなの…)

 どうして家の前にあるのか、どうしたらいいのか。
 いくら考えてもバイト疲れで頭が回らず、結局今夜は放置することにした。

「明日休みだしね…明日考えよ…」