って。
 それはない、かな。

 よかった、私と出会うことができて。
 ということなんて。







 そう思いながら。
 見る、チラッと。
 龍輝くん(私の姿)の方を。


 気のせい、だろうか。

 龍輝くん(私の姿)の頬。
 染まっている、少しだけ赤く。
 そんな気がする。



 って。
 ううん。
 やっぱり気のせいだろう。





 だけど。
 気のせいではないとしたら……。

 どうして龍輝くん(私の姿)は頬を赤く染めているのだろう。



 とはいっても。
 なっている、私の姿に。
 龍輝くんは。

 なので。
 なっている、実際には。
 私の頬が赤く。
 そういうことになる。


 龍輝くんの姿になっている私。
 見ている、客観的に。
 そんな自分(心は龍輝くん)の姿を。

 そのことが。
 不思議、とても。
 そんな感じがする。



「……何か言ってくれよ。
 無言のままだと、どうしていいかわからなくなるだろ。
 それに、そんなにも見つめられると……」


 見ている、チラッと。
 それだけのつもりだった。

 それなのに。
 じっと見つめてしまっていた、いつの間にか。
 無意識のうちに龍輝くん(私の姿)の顔を。


 龍輝くんに言われて。
 気付いた、そのことに。

 その瞬間。
 急激に恥ずかしくなり。
 顔に熱が一気に集中してくるのがわかった。


「あっ……あの……っ、
 えっと……」


 なってしまった、あまりにも恥ずかしく。

 それだからだろうか。
 頭の中がパニック状態になってしまい。
 できない、上手く声を出すことが。