* * *


「今日は一日が長く感じるな」


 そう呟く。
 窓から空を見ながら。


 時刻は二十二時を回ったところ。



 私が居る部屋は。
 空き部屋になっている部屋。
 諏藤(すどう)くんの家の中の。

 その部屋は。
 友人や他のお客様。
 その人たちが泊まりに来た。
 そのときに使用している部屋。
 なのだそう。


















 夕方になる頃。

 私と龍輝くんは。
 おじゃました、諏藤くんの家に。












 そのとき。
 言った、諏藤くんは。







 姿は龍輝くん。
 だけど。
 心は私。


 なる、こんがらがってきそうに。

 だけど。
 やっぱり接さなければいけない。
 女性として。



 龍輝くんは。
 ある、今までに。
 諏藤くんの家に泊まったことが。

 いつもなら。
 一緒に過ごす、龍輝くんは。
 諏藤くん(自分)の部屋で。





 だけど。
 今日は。
 いかない、そういうわけには。


 姿が龍輝くん。
 だけど。
 心が私。

 そうである以上。
 難しい、一緒に過ごす。
 私(龍輝くんの姿)と。
 諏藤くん(自分)の部屋で。
 そのことは。



 なので。
 使ってほしい。
 友人や他のお客様が泊まるときに使用する部屋を。

 なった、そういうことに。










 そして。
 言った、諏藤くんは。
 龍輝くん(私の姿)にも。





 心は龍輝くん。
 だけど。
 姿は私。

 いくら心が龍輝くんでも。
 姿が私である以上。
 できない、一緒に過ごす。
 私の姿をしている龍輝くんと。
 諏藤くん(自分)の部屋で。
 そのことも。



 なので。
 使ってほしい。
 空いている、お姉さんの部屋。


 お姉さんは結婚して家を出ている。

 だから。
 使用する、お姉さんの部屋を。
 自由、そのことは。
 ということ。







 龍輝くんが小学生の頃。





 遊びに来た、龍輝くんが。
 諏藤くんの家に。



 そのときに。
 入った、何度か。
 諏藤くんのお姉さんの部屋にも。


 なので。
 慣れている、龍輝くんは。
 お姉さんの部屋に入ること。

 だから大丈夫。
 ということ。















 こうして。
 私(龍輝くんの姿)は客室。
 龍輝くん(私の姿)は諏藤くんのお姉さんの部屋。
 それぞれの部屋で過ごさせてもらえることに。



 私と龍輝くん。
 二人のことを家に入れ泊めてくれた諏藤くん。

 そんな諏藤くんに感謝の気持ちでいっぱいになった。